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ユーロエッセンス

若 い 日 々 の 言 語 を つ づ る ブ ロ グ

芸術には区別が無い、もっと自由な場であるべき。/ 草間彌生「水玉の履歴書」

 

 絵を描く時、絵が描けない時。芸術って何なのだろう、そしてその未来は?時々自分に問いを投げかける。

そして思うのだ。その答えは個人個人に在り、それぞれがきっと美術の一つの答えなのだ、と。人間それぞれで行き着くものが違うのだから勝手に柵を作って自分を戒める必要はない。

 

 水玉の女王 草間彌生

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 昨日まで東京国立新美術館で開催されていた展覧会「わが永遠の魂」。

極彩色の画面、無限に広がる水玉、水玉、水玉。彼女の名は草間彌生、前衛芸術家である。歳をとるほどにエネルギーを増し、彫刻や執筆活動に勤しむその創作意欲は一体どこから来るのか。

 

 「水玉の履歴書」には芸術・闘い・人生・社会・生、愛、死の5章からなる構成で生きざま、芸術哲学がつづられている。芸術、生き方、性に対し開放的に生きると同時に孤独、理不尽な環境が立ちはだかる。その追い詰められた状況に打ち勝つことが人間として生を受けたからこその試練だと草間は述べている。

 

現代日本の芸術

  当時日本に帰国して彼女が見た日本はすさんでいた。本当に進歩と近代化は良い影響を与えたのか。個性が無くすべてが画一化された社会、若い思想が淘汰されてゆく。

新しい作家を育てるには、批評家がつくった評価の枠に作家を縛りつけるようなことをすべきではありません。批評家やマスコミはもっといろいろな作家の存在を世の中に知らせるべきです。多くの芸術家たちが悩みながら追及してきた試みを取り上げ、社会に伝達することに関して、もっと謙虚であってほしいと思います。なぜなら今、芸術はひとつの大きな岐路に立っているからです。戦争、テロ、経済格差、環境問題など、世界を取り巻く状況はかつてないほど不安定です。そうした問題に対して、多くの芸術家たちが力を合わせて闘い、新しい道を切り開いていくことが求められているのです。p.121

芸術は本来自由であるべきもの。良い悪いの区別は出来ない。選別し、若い人のユニークな発想を絶ってしまう様な事はせず、素直に全てのものから学ぶべきだ。なぜなら芸術は今、一つの分かれ道にきているから。世界を取り巻く不穏な状況に多くの芸術家たちが新しい道を切り拓いていく必要がある。

 

 他人の言うことなんか関係ない、自分を信じて進んでいきなさい。そんな言葉が聞こえてくるこの本。私はいつか純粋に自分自身の絵というものを描ける日が来るのだろうか、いや来なければならない。

 

 

水玉の履歴書 (集英社新書)

水玉の履歴書 (集英社新書)